海外進出を始めるために必要な基礎知識 -海外デューデリジェンスと人物調査- - 企業信用調査の総合探偵社 テイタン
市場拡大に不可欠な海外進出
現地ビジネスパートナーを見極めるデューデリジェンス
デューデリジェンスをさらに深める人物調査
市場拡大に不可欠な海外進出
日本は少子高齢化が進み、市場規模は将来的に縮小するとみられています。市場拡大を図るべく企業が見るのは海外。企業の海外進出は盛んで、日本貿易振興機構(ジェトロ)が行った「2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、今後(3年程度)の海外進出方針では、「海外進出の拡大を図る」企業が 57.1%と前年から横ばいとなりました。(「さらに拡大を図る」企業(32.9%)と「新たに進出したい」企業(24.2%)とを合わせた数値)
しかし一方で、せっかく海外進出したものの撤退する企業があることも事実です。経済産業省のデータによると、2017年度に進出先から撤退した現地法人数は725社(前年度と比べ75社増)。リーマンショックの2009年の659社よりも増えているのが現状です。
海外現地ビジネスパートナーを見極めるデューデリジェンス
では、せっかく進出した海外から、撤退という憂き目にあうことなく海外でビジネスを行うために必要な要素は何でしょうか。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が海外ビジネスに関心が高い日本企業に対して行った別のアンケートで海外ビジネス(輸出・海外進出)の課題を尋ねたところ、「海外ビジネスを担う人材」(54.5%、1,844 社)の次に最も多かった回答が、「現地でのビジネスパートナー(提携相手)」(54.2%、1,833 社)です。
日本貿易振興機構(ジェトロ) 海外調査部 国際経済課「2018 年度日本企業の海外事業展開 に関するアンケート調査
海外ビジネスにおいて、現地のビジネスパートナーがいれば、いくつかメリットが考えられます。例えば、現地の事情についての情報を持っているためスピーディーな事業展開が出来る、すでに現地企業が持っている地場企業とのコネクションを共有できる、また自社の初期投資額を抑えることが出来る、などです。
そのようなメリットを得るためには、ビジネスパートナーは「信頼できる」相手であることが大事です。そのパートナーが信頼出来うるかを事前に確認しておく必要があります。
そのために、事前に相手企業について調査する、いわゆる「デューデリジェンス」を行います。デューデリジェンスは新規取引、M&A、投資などの際に、対象の企業について様々な側面から調査し、その企業の価値を査定するものです。
一般的な調査は、企業の財務状況のチェックです。対象会社の業績推移、収益性、資金繰りなどの財務状態を確認します。他にも法務について、税務について、ITについてなど、様々なデューデリジェンスがあります。
また相手が海外の企業の場合に大事になる調査が、対象企業が実在している企業であるか、保有している企業情報と実際の情報の差異はないかの確認です。メールや電話でのやり取りで相手を信用していたが、実際は実在していなかった、詐欺まがいの会社であった、ということがあります。
デューデリジェンスをさらに深める人物調査
上記のデューデリジェンスは基本的な調査です。さらに信頼できるパートナーを選ぶのためにデューデリジェンスの一環として行いたい調査、それは相手先企業の経営者・役員などの「人物調査」です。その人物に懸念材料はないか、現地での風評はどうかなど、信頼出来うる人物かを調査することが重要です。海外では経営トップが主導で新規ビジネスを進めていくことが多いので、この調査が非常に重要になります。トップの人物によって、一緒に行うビジネスの命運が分かれると言っても過言ではありません。
実際、中国企業と合弁会社を設立し出資もしたけれど、その後経営者と連絡が取れなくなってしまった、資金を持ち逃げされてしまった、などという日本では考えられないような事態が起こったというケースも少なくありません。
海外でのビジネスとなると相手企業の調査が甘くなり、簡単な企業レポートの財務表で数字を見ただけで取引を決めて、痛い目に遭うということは避けなければいけません。
海外企業の調査においては、外資ではなく地場の調査会社による調査が望ましいです。中国など、外資企業に現地会社の情報を取らせないといった地域もあるためです。
海外ビジネスを成功させるためには、信頼できるビジネスパートナーを見つけること。そのためには、そのパートナーが本当に信頼できるか、付き合う価値があるかどうかをしっかりと事前調査することが重要となります。
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